「素晴らしいことが起きた後は悪いことが起こる」
この”観念”は、私たちが思う以上に私たちを支配しているようです。
・悪いことが起こるのが怖いから幸せにならない。
・幸せになったら次に怖いこと、嫌なことが起こるからこのままの方がいい。
・幸せになったら失うものが出てくるから幸せにならないでおく。
という選択を無意識にしている人も多くいます。
無意識に観念を持ち、無意識に自分で自分に制限をかけてしまうのです。
以前、セッションを行った時に
「良いことの後は悪いことが起こる」と親に言われたからそう思ってしまう。
というご相談がありました。
実は、私も母に「とても素晴らしいことが起こると同時にひどい出来事が起こるって本当だと思う?」と聞いてみたら、「そうかもしれないね」と答えていました。
具体的に何が起きたの?と聞いたのですが母は結局、答えられず「でも、なんとなくそう思う」と言うのです。
良いことなんて続かない。とか、全てがうまくいくなんてありえない。とか、実は多くの人がなぜかそう信じ込んでしまっているのかもしれません。
先日、満ちれば欠ける、欠ければ満ちるのが世の常である。と言うようなお話をしたと思います。
悪くなったものは必ず良くなる。
と言うお話です。
良くなったらじゃあ、次は悪くなるの?と考えてしまいますよね。
このことも踏まえて「良いことの後は悪いことが起こる」ということは本当なのか?ということについて書いていきます。
私なりの見方は①「悪いことが起きる」という解釈が少し違うのではと思ったのと②恒常性の問題、そして③罪悪感や無価値観です。
まず①良いことの次は悪いことが起こる、良いことは続かない。という意味ではなく、人間というのは一定の場所に留まるようにはできていないということです。基本的に人間というのは欲しいものを手にしたら、一定期間は満たされた感覚があっても、また次に欲しいものが出てきます。外側の事象で自分自身が満たされたと思う時、必ず次次に欲しいものが出てくるようになっているのです。
これは誰でも体験していることなのでわかると思います。
子供の頃に買ってもらったバービー人形で遊んで今も楽しいと思う人はいないと思います。次々に発売される新しいおもちゃ、年齢を重ね、興味の対象や範囲も変わり、そこでも新しいものをどんどん欲しがっては手に入れを繰り返し、今に至っている人がほとんどだと思います。
携帯やパソコンも次々に新機種が発売され、アプリは日々アップデートされています。
一つが達成されると、次の目標に向かうように人間はできているので、頂点から再び、次の頂点に向かう時に「欲しがる」ことで一旦、「欠けている思いを外側の世界に投影」した、その出来事を「悪いことが起きた」という風に捉えているのです。
人は常に拡大し成長に向かって生きているため、次に欲しいもの。が出てくるんですね。欲しいと思ったその時、意識は「自分に欠けているものがある」という状態です。それを外の世界で見る。それを「一転して悪いこと」が起きた。と表現しているんですね。自我をベースに生きていると、もうこれで十分満足、万々歳!という状態はないのかもしれませんが、それが「悪い」ことではありません。
次に、②恒常性の問題。恒常性とはサーモスタットのことです。常に一定に保とうとする人間の潜在意識のメカニズムです。
例えばずっと月収が20万円の人が突然良いアイディアを生み出し100万円に昇給したら「なんか居心地が悪い」わけです。なんかいつも通りじゃない、なんか自分らしくない。と潜在意識は感じるんですね。
そんな時、元の月収20万円に戻るように無意識に仕事で失敗をしたり、怪我をしたりしてしまうんです。80万円の差がこれまでの自分にそぐわない感じがして急な変化に怖れを感じてしまうんですね。
冷房の設定温度が27度だったら、冷やしすぎて25度になれば27度になるよう働くのと同じで、月収20万円の自分という無意識の設定があれば、月収100万になってもすぐに月収20万円に戻るようになっているんですね。
これも、良いことの後には悪いことが起こる。パターンになりえます。
そして③の罪悪感と無価値感。
自分には良いものが相応しくない、自分なんかがずっと幸せでいられるはずなんてないという思いです。
ワークショップやセッションなどで一時的に良くなっても、再び元の生活パターンや思考パターン、人間関係に戻って行った時に自分の中にあった罪悪感や無価値感にフォーカスが当たってしまうとき、良くなっても今度は嫌なことが起こる。幸せは続かない。という解釈をするかもしれません。
奇跡のコースの教師である香咲弥須子さんは、
エゴというのは光を見ると、少しでもスピリットが生き生きすると、慌てて防御しようとする。
と表現していました。
幸せだと感じても次の瞬間に怖れを感じる場合は、エゴが幸せを怖れて罪悪感を感じるように仕掛けているからなのかもしれません。
幸せに怖れを感じれば、必然的に不幸の状態に戻ろうとしますから、良いことの後に嫌なことが起こる。が実現します。
このメカニズムは自分の意識ではわからない無意識のレベルで起こってくることだと思います。
では、どうするか。
まず一つ言えるのは、良いことの後に悪いことが起こるということをあなたがあまりにも怖れているのだとしたら、
多分、あなたが「怖れている」ことは起こらない。
ということを知ってください。
欲しいものを手にしたら、自分の一番大切な〜を失うのではないか。と思っているとしたら、その一番大切なものを失うということではない、他のことが起こると思って良いです。
むしろ、欲しい何かを手にしたら代わりに〜を失う。と思っているその〜に執着しすぎていて、その執着心こそが現状に留めようとしているエゴの罠に過ぎないので、怖れているものは失いません。
本当に必要なものは失いません。
そして
必要なことしか起きません。
この言葉を胸に前進することを決断してみましょう。
次に、②③の場合は「自分は良きものに相応しい」と深いレベルで理解することです。
私たちは、無限の奇跡を受けることを許されています。私たちの多くは良いことが起きると「まるで夢みたい」と言いますが、良いこと、素晴らしいこと、願いが実現することはとても自然なことです。
この宇宙は、たくさんの良いもので溢れています。そして、天は私たちに良いものをたくさん受け取って欲しいと願っています。
それを受け取れないでいるとすれば、それは私たち自身がそれを自分に禁じているからかもしれません。
何をしたとしても、しなかったとしてもあなたはすべての良きものに値します。
宇宙からのメッセージを発信しているマイク・ドゥーリー氏はこう言っています。
「何か素晴らしいことが起こったのであれば、また同じようなことが起こるべく、チャンスが天文学的に高まったと言うことです」
私たちは常に進化し、成長し、愛は拡大しています。
良いことが起こった後に悪いことが起こるのではなく、良いことが起きたら、それを超えるような良きことが起こるべくその先に進んでいくのです。